Gitを積み木で理解する|初心者向け完全ガイド
Gitが何をしているのかわからない人向けに、積み木の比喩で超わかりやすく解説。コミット、ブランチ、プッシュの概念がスッと入る。

Gitがわかりにくいは当然

Gitは最初、本当に何をしているのか掴みにくい。なぜ皆から勧められているのかもわからない。
そのような方に向け、このバージョン管理手法がなぜ効率的で、なぜこれほどまで使われているのか、できるだけわかりやすく解説する。
Git誕生秘話
Gitの誕生はまさに片手間だった。暗号解読技術やWebネットワークが第二次世界大戦の片手間で生まれたように、Gitもまた、Microsoft・IBM・Unixのような大企業の独占を阻止するためのLinux OS開発の片手間で作られた。そのため、もともとGitはLinuxを作るためのバージョン管理システムだったのだ。
制作者はLinus Torvalds。Linuxの生みの親だ。
彼は自宅の部屋で作業を進め、たった2週間でGitの最初のバージョンを完成させた。現在では世界中の開発者に使われる標準的なツールになっている。
なぜGitが必要なのか
こんなことをしたことはないだろうか。私はある。
- ファイル名に「_最終版」「_最終版2」「_本当の最終版」が増えていく
- 「あの時の状態に戻したい」ができない
Gitは違う。積み上げた履歴そのものを記録する。だから、いつでも好きな高さまで戻れる。
Gitの基本概念は積み木
Gitの基本概念は積み木だ。

プロジェクト全体を、あなたが遊ぶ大きな**作業台(リポジトリ)**と考えてほしい。その上に、ファイルごとの土台がある。そこに緑(行を追加)と赤(行を削除)の積み木を、縦にどんどん積み上げていく。
| 用語 | 積み木で例えると |
|---|---|
| リポジトリ | 積み木で遊ぶ作業台(プロジェクト全体) |
| ファイル | それぞれの積み木の土台 |
| 変更(diff) | 一つの積み木ブロック(緑=追加、赤=削除) |
| ステージ | 「この積み木を固める」と選ぶこと |
| コミット | 選んだ積み木をボンドで固めて、ラベルを貼る |
ピンとこなければ、ステージ=選択、コミット=保存、と覚えてもOK。
ブランチ=並行世界の積み木
ブランチは、積み木の塔を途中から枝分かれさせる機能だ。
映画やドラマでよくある「もしあの時、別の選択をしていたら?」という並行世界のようなイメージだ。

今ある塔(mainブランチ)を壊さずに、横に新しい土台を作って「実験用の塔」を積み始める。うまくいったら、その積み木を元の塔に合体(マージ)させる。この合体の仕組みはシンプルだ。共通の土台(分岐点)はそのままで、実験用の塔で積み上げた分だけを元の塔の上に乗せる。
失敗したら、その枝だけ捨てればいい。本体には影響がないので安心だ。

これが「安全に新機能を試せる」理由だ。
リモート=積み木を預ける場所
GitHubやGitLabは、あなたの積み木のコピーをクラウドに保存する場所だ。バックアップとして安心できる場所に預けるイメージ。
- push → 手元の積み木をクラウドに預ける
- pull → 預けた積み木を手元に持ってくる
- clone → 誰かの積み木セットをまるごとコピーして手元に持ってくる
複数人で同じ作業台を使うとき、このリモートが「みんなの積み木の正解」になる。
まとめ
| やりたいこと | 積み木で言うと | Gitコマンド |
|---|---|---|
| 変更を選ぶ | 「この積み木固める」と選ぶ | git add |
| 変更を保存 | ボンドで固めてラベル貼り | git commit |
| 履歴を見る | 積み上げた履歴を眺める | git log |
| 過去に戻る | 積み木を指定の高さまで戻す | git check out |
| 枝分かれ | 横に別の世界線の塔を建てる | git branch |
| 合体 | 枝の積み木を元の塔に乗せる | git merge |
| 親に預ける | 積み木をクラウドに預ける | git push |
| 親から取る | クラウドから積み木を持ってくる | git pull |
Gitは「ファイルを保存するツール」ではなく、**「積み木」**だ。
これさえ掴めば、あとは手を動かすだけ。
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ヴィンセント
青山学院大学経済学部在学中。楽天、LINEヤフーでのインターン経験あり。 文系からエンジニアの道に進む中で、環境構築やエラー解決に苦労した経験から、 同じように悩む人の役に立ちたいと思い、このサイトを立ち上げました。







